台紙を使った標本の作り方
標本とは、生物の形や色、大きさなどをそのまま保存したものです。標本は、生物の研究や教育に欠かせないものであり、また、自然の美しさを後世に伝える役割も担っています。
標本を作る際には、台紙の存在が欠かせません。台紙は、標本を固定し、観察や保存を容易にするためのものです。台紙には、さまざまな種類があり、標本の種類や用途に合わせて選びます。
ここでは、台紙を使った昆虫標本と植物標本をご紹介します。
昆虫標本
昆虫標本用に、標本にしたい昆虫を採取します。採取した昆虫は、死後処理を行い、乾燥させます。死後処理の方法は、昆虫の種類やサイズによって異なりますが、一般的には、冷蔵庫で保存したり、エタノールで脱水したりします。
台紙の形状は、主に三角形と四角形の2種類があります。三角形の台紙は、昆虫の腹面を観察しやすいという利点があります。四角形の台紙は、安定性があり、移動や輸送に適しています。
乾燥させた昆虫を台紙に貼り付けるには、ボンドやにかわなどの接着剤を使用します。接着剤は、昆虫の足や触角などが動かないように、適量を塗布します。
昆虫を貼り付けた後は、標本針で台紙に固定します。標本針は、昆虫の体に注意しながら刺します。
標本針で固定したら、ラベルを貼って完成です。ラベルには、昆虫の種類や採取場所、採取日などを記入します。
植物標本
植物標本用に、標本にしたい植物の標本用標本植物(標本にするのに適した植物)を採取します。採取した植物は、新聞紙や布に包み、途中吸水した紙を交換しながら乾燥させます。風通しの良い場所で、数日間かけてしっかり乾燥させましょう。
乾燥させた植物は、テープなどを使って、植物の葉や花などが動かないように台紙に固定します。
植物をで固定したら、ラベルを貼って完成です。ラベルには、植物の種類や採取場所、採取日などを記入します。
台紙の種類
標本を作る際には、台紙の種類も重要です。台紙の種類によって、標本の形状や保存性が変わってきます。
昆虫標本に使う台紙は、昆虫のサイズや重さによって最適な厚みが変わってきます。昆虫のサイズに合わせて台紙を加工することになるので、丈夫さと加工のしやすさのバランスが取れた厚みをお選びください。
植物標本の台紙としては光沢が美しい白ツヤボールがおすすめです。
標本の保存
標本は、適切に保存することで、長期間劣化することなく保存することができます。標本の保存方法は、以下のとおりです。
- 標本を直射日光や高温多湿の場所から避けて保管する。
- 標本を標本箱に入れて保管する。
- 標本箱は、防虫剤や防カビ剤を併用して保管する。
標本作りは、自然を身近に感じ、自然の素晴らしさを知る機会にもなります。ぜひ、台紙を使って、オリジナルの標本を作ってみてください。